ヒント① どんな時も、人生には意味がある。
どんな時も人生には意味がある。自分を必要とする“何か”があり、自分を必要とする“誰か”が必ずいて、自分に発見されるのを待っている。そして自分にも、その“何か”や“誰か”のために、できることがある。
ヒント② 人間の生死の意味は、宇宙の自己進化の流れの中にある。
私たち人間がこの世に生まれてきたことの意味、人間の生死の本当の意味は、私たち自身がこの宇宙の働きの一部であることを自覚し、宇宙の進化の中でみずからが果たすべき役割つまり “天命”を知り、追及していく中にある。
ヒント③ 弱音を吐き、助けを求めるのも、ひとつの生きる能力である。
辛くなったら弱音を吐こう。見栄、プライド、世間体にこだわらないで周りの人に助けを求めよう。早めに弱音を吐き、人に助けを求めることは、この困難な時代をタフに生き抜いていくのに必要な “能力”である。
ヒント④ 弱い私。ぐずな私。どんな“私”も大切な私。
自分の心の内にある“自分の声”に耳を傾けよう。私に聴いてもらいたがっているのだ。「私の中の“弱い“さん、あなたがそこにいるのを知っていますよ」「私の中の〝ぐず”さん、あなたの存在を認めていますよ」様々な感情を“自分の一部”として認め、やさしく声をかけるような態度が必要である。
ヒント⑤ 悩みや困難は人生の大切なメッセージ
病気や人間関係など様々な悩みや困難は、人生の過程が必要だから運んできてくれた“意味のある出来事”。そうでもしなければ気付くことのできない、人生の大切なメッツセージを運んできてくれる“人生の先生”
ヒント⑥ 人間関係のトラブルは、もうひとりの自分の仕業
自分のことをトラブルの被害者と思いがち。しかし、人間関係の問題は、自身の心の“影”となっているもう一人の自分の仕業である。自分が嫌がっているその人と、自分のどこが似ているかに気付くこと。または、その困った人本人になってみること。
ヒント⑦ 病気の気持ち、症状の言い分に耳を傾ける
様々な病気、症状は自分にそうにでもならなくては気付くことのできない、大切な何かを教えてくれている有難い“贈り物”。病気や症状の立場に立ち、それになりきってそこからメッセージを貰う。
ヒント⑧ 昏睡状態は、人生をまっとうする最後のチャンス
昏睡・植物状態にある人は、自己意識はなく、そのままでは自分がどうすべきかの選択を自分でおこなうことはできない。そのような人がわずかに発する合図、たとえば瞼が少し動いたり、かすかな筋肉の動きは“夢を見ている状態”のシグナルである。それに呼応するような反応を与えることで最期のコミュニケーションをすることができる。それによって覚醒することもあり得る。
ヒント⑨ この世で宿題を全部済ませたら、からだを脱ぎ捨てる。
からだはたましいを包んでいる殻のようなもの。時が来れば手放せばいい。そうしたら、自由の身になれる。繭からチョウが飛び立つように。痛さからも怖さや心配からも自由になる。
終わりに
精神的、肉体的な病気、あるいは人間関係の問題の原因を過去に求めるのではなく、いま起こっていることには、どんな意味や目的があるのかを考えてみることが大事。それらの出来事を通して、人生は何を教えてくれようとしており、どのようなメッセージを届けてくれているのかを把握すること。それをこれからの人生に活かしていくべきである。
諸富祥彦著『生きていくことの意味』より
十輪院 住職 橋本純信
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